NPOカメチドリ(略称)鹿児島

2 不法伐採の監視


  脇本海岸の防風林は、市有地と民間地が入り混じっています。防風林は住民を守るだけでなく、希少動植物にとっても重要な役割を果たしています。ですから防風林の木はたとえ1本であっても勝手に伐採してはいけないのです。しかし住民の中にも、海岸を利用する事業者の中にも、防風林の重要な役割を理解せず自分の都合で伐採する人がいるため、常に防風林の変化に気を付けて異常時は市へ連絡して対処しています。

防風林の役割
1.生活を守る
 防風林は海からの強い風や波から人々の生活を守っています。レジャーで訪れる人の中には「防風林が無かったらきれいな海岸が道路から見えて素敵なのに」と言う方もいますが、とんでもない話です。浜辺が見えないくらいに密集した防風林があるから安心して暮らせるのです。
番号:0302-001
密集した雑木と背の高い松林のバランスが重要
2.海岸の憩いの場
 松林が立派であった昭和40年代以前は、松林の中に海の家やベンチがあり海水浴の休憩や、森林浴などの散策を楽しめる場所でした。脇本海岸の防風林のほとんどは今も「保健保安林」としても指定されているのですが、50年くらい前に松林が全滅してからは雑木が増えたため、林間で楽しめる場所がほとんどなくなってしまいました。保健保安林の本来の目的に沿った松林が増えれば、2.6Kmもの白い砂浜が広がる雄大な景観を松林からも楽しむことができます。
番号:0302-002
海岸のほとんどは保健保安林
番号:0302-003
松並木が美しかったころの海岸
3.ウミガメにとっては「光害」から産卵地を守る重要な衝立
 ウミガメは5~8月の夜間に上陸し産卵場所を探しますが、非常に警戒心が強く、海岸のわずかな光や物音で海に引き返してしまいます。また孵化した子ガメは海岸に光があると、混乱してさまよって海に行けなくなってしまうのです。防風林は海岸に沿った道路を走る車や、海岸周辺の家の光や音をさえぎってくれます。夜の砂浜をパトールすると防風林のおかげで光や音が砂浜にはほとんど漏れていないことがわかります。しかし防風林では光を遮れない、砂浜に建つ海の家の夜の光は明らかに「光害」ですが、もしかしたら赤瀬川方面や阿久根市街地の光、長島の山頂にある風車の警戒灯、海岸近くの球場の投光器などの光もウミガメの上陸に影響があるかもしれません。

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